もし Emacs のインストールやサイトメンテナンスについて普段かかわって いなければ、pcl-cvs のインストール手順はちょっと気が遠くなるような感 じかもしれません。Emacs がどう動いているか、ちょっとした背景を知って いれば役に立つかもしれませんね。
Emacs の最も高レベルな機能は"Emacs Lisp"と呼ばれる言語で書かれていま
す(Emacs はそれ自体この言語のインタプリタなのです)。人々は Emacs に
新しい機能を追加するために、Emacs Lisp コードのファイルを配布します。
pcl-cvs
はこの言語で書かれており、Elib と呼ばれる、便利
で汎用的な Emacs Lisp 関数に依存しています(一部 Per Cederqvistが書き
ましたが、pcl-cvs とは別に配布されています)。
Elib は通常の Emacs ディストリビューションには含まれていませんので (少なくとも FSF Emacs には; XEmacs のことはわたしにはわからないです)、 pcl-cvs を使う前にそれをダウンロードしてインストールする必要がありま す。ftp://ftp.lysator.liu.se/pub/emacs/elib-1.0.tar.gz から入 手できます。インストール手順はパッケージの中に同梱されています。
Elib がインストールできたら、pcl-cvs を作ってインストールする準備が できました。これらの手順はバージョン1.05にも2.xシリーズにも適用でき ます(新しいディストリビューションでは何か変わったことがないか、NEWS と INSTALL ファイルをチェックしてくださいね)。
まず、pcl-cvs をほどきます(バージョン1.05を使っていますが、2.9.6 で も同様です)
floss$ zcat pcl-cvs-1.05.tar.gz | tar xvf - pcl-cvs-1.05/ pcl-cvs-1.05/README pcl-cvs-1.05/NEWS pcl-cvs-1.05/INSTALL pcl-cvs-1.05/ChangeLog pcl-cvs-1.05/pcl-cvs.el pcl-cvs-1.05/pcl-cvs.texinfo pcl-cvs-1.05/compile-all.el pcl-cvs-1.05/pcl-cvs-lucid.el pcl-cvs-1.05/pcl-cvs-startup.el pcl-cvs-1.05/pcl-cvs.info pcl-cvs-1.05/Makefile pcl-cvs-1.05/texinfo.tex
次にソースツリーのトップレベルに移動してください:
floss$ cd pcl-cvs-1.05/
Makefile がありますね。INSTALL ファイル中の手順に従って、Makefile の 冒頭のパスをいくつか編集したとして、次を実行します:
floss$ make install
うまく動いたら、やったね。でも、エラーになることもあります(pcl-cvs のコード自体は移植性があるのですが、インストール手順はそうでないこと もあります)。エラーになったら、こうしてください:
floss$ make clean floss$ make
すべてうまくいったら、これらのコマンドはインストールの重要な部分を達 成する Emacs Lisp ファイルすべてをバイトコンパイルすることによって。 (バイトコンパイルは人間に読める Emacs Lisp コードのファイル(.el ファ イル)を、コンパクトで実効性のある形式(.elc ファイル)に変換します。 Emacs は .elc ファイルをロード及び実行する、よりよい性能で、素の .el ファイルよりも。)
バイトコンパイルの段階が成功したとして話を進めます。バイトコンパイル が成功しなくても気にしなくて構いません: .elc ファイルは贅沢品であっ て、必須のものではありません。.elc だとちょっとパフォーマンスがよく なるだけで、生の .el を使っても pcl-cvs の実行には支障ありません。
make intall が失敗した場合、次のステップでは Emacs Lisp (.el でも
.elc でもかまいません)を、自動的にロードされるディレクトリへ移します。
Emacs はローカルにインストールされた Lisp 用のディレクトリをシステム
上に持っています。そのディレクトリをみつけるには(そのディレクトリに
は default.el
があるはずです)、次の順で調べて下さい:
site-lisp ディレクトリを見つけたら、そこへ Lisp ファイルを全部コピー して下さい(root になる必要があります):
floss# cp -f *.el *.elc /usr/share/emacs/site-lisp/
最後のステップでは、pcl-cvs のエントリポイントについて Emacs に指示 し(主なエントリポイントは cvs-update 関数)、オンデマンドで pcl-cvs コードをロードできるようにします。Emacs は起動時にいつも default.el ファイルを読みますので、そこへ pcl-cvs のエントリポイントの一覧を書 きましょう。
pcl-cvs には幸い、default.el に書くべき内容が示してあります。単純に、 pcl-cvs-startup.el の内容を default.el にコピーして下さい(または自分 の .emacs でよいです、自分のためだけにインストールしたんなら)。そし て Emacs を再起動してください。
info ディレクトリに .info ファイルをコピーして、dir ファイルの目次に pcl-cvs を追加してもいいでしょう。