付録A 補遺

目次

A.1. Debian迷路
A.2. 著作権の経緯
A.3. 文書のフォーマット

以下が本文書の背景です。

A.1. Debian迷路

Linuxシステムはネットワーク化されたコンピュータのための非常にパワフルなコンピュータプラットフォームです。しかし、Linuxの全能力を利用する方法を学ぶことはたやすいことではありません。非PostScriptプリンタが接続されたLPRプリンタの設定がこんなつまずく点の良い例でした。(新しいインストレーションではCUPSシステムが使われるのでもうこの様な問題はありません。)

"ソースコード"という完全かつ詳細なマップが存在します。これは非常に正確ですが理解することが難しいものです。また、HOWTOやmini-HOWTOと呼ばれるリファレンスもあります。これらは理解はしやすいのですが、詳細過ぎて全体像を失いがちです。ちょっとコマンドを実行する必要がある時に、長大なHOWTOの該当する章を探すのには骨が折れることが時々あります。

この"Debianリファレンス(第2版)"がDebian迷路の真っ只中にいる皆様にとって解決の糸口となることを望みます。

A.2. 著作権の経緯

Debianリファレンスは青木 修 <osamu at debian dot org> が自分のためのシステム管理メモとして書きはじめました。多くの内容がdebian-user メーリングリストや他のDebian のリソースから得られた知識由来です。

当時 Debian Documentation Projectで非常にアクティブであった、Josip Rodin氏の助言に従い、 DDP文書の一部として"Debianリファレンス(第1版、2001-2007)"を作りました。

6年経った時点で、青木はオリジナルの "Debianリファレンス(第1版、2001-2007)" が時代遅れとなっている事に気づき多くの内容を書き換え始めました。新たな "Debianリファレンス(第2版)" が2008年にリリースされました。

チュートリアルの内容はその内容とインスピレーションを次から得ました。

  • "Linux User's Guide" Larry Greenfield 著。 (1996年12月)

    • "Debian Tutorial"によって時代遅れとなりました。
  • "Debian Tutorial" Havoc Pennington著。 (1998年12年11日)

    • 内容の一部はOliver ElphickとOle TetlieとJames TreacyとCraig SawyerとIvan E. Moore IIによって書かれました。
    • "Debian GNU/Linux: Guide to Installation and Usage"によって時代遅れとなりました。
  • "Debian GNU/Linux: Guide to Installation and Usage" John Goerzen and Ossama Othman著。 (1999年)

    • "Debianリファレンス(第1版)"によって時代遅れとなりました。

パッケージやアーカイブに関する記述はそのオリジンやインスピレーションの一部を次に遡ることができます:

  • "Debian FAQ" (Josip Rodinが維持していた2002年3月版)

他の内容はそのオリジンやインスピレーションを次に遡ることができます:

  • "Debianリファレンス (第1版)" 青木 修著 (2001年〜2007年)

    • この新しい "Debianリファレンス(第2版)"によって時代遅れとなりました。

以前の "Debianリファレンス(第1版)" は次によって作られました,

  • ネットワークコンフィギュレーションに関する大部分の内容はThomas Hoodが寄稿、
  • X と VCS に関連するかなりの内容は Brian Nelson が寄稿、
  • ビルドスクリプトや多くの内容に関する訂正で Jens Seidel が寄与,
  • David Sewell による徹底的な校正と、
  • 翻訳者やコントリビューターやバグ報告者達による多くの寄与。

Debianシステム上の多くのマニュアルページやinfoページが本文書を書く上での第一義的参照情報として使われました。青木 修が公正な使用と考える範囲内で、それらの多くの部分、特にコマンドの定義が、本文書の文体と目的に合うように注意深い編集をした後、断片的文言として使われました。

gdbデバッガーに関する記述はArii PollakとLoïc MinierとDafydd Harriesの了承のもとbacktraceに関するDebian wikiの内容を拡張して使いました。

既に上記で触れた項目を除くほとんどの"Debianリファレンス(第2版)"の内容は私自身の仕事です。これらはコントリビュータ−によっても更新されています。

著者である青木 修は本文書を世に送ることにご助力戴いた皆様に感謝いたします。

A.3. 文書のフォーマット

英語のオリジナル文書のソースはAsciiDocのテキストファイルを用いて書かれました。これを使うと生のXMLのテキストよりタイプすることが少なくて済み、また非常に分かりやすいフォーマットで表をサポートできます。ビルドスクリプトによってDocBook XMLソースに変換され、更に自動的に生成されるデータを埋め込み最終的なDocBook XMLソースとされました。本文書はHTML,plaintext,PostScriptと,PDFとして見ることができます。現在はHTMLとplaintextへの変換のみが有効とされています。