前のセクションで説明した「ビジュアル」インタフェースに加え、aptitude を使って、apt-get と同様にコマンドラインから直接パッケージを管理することも可能です。本セクションでは、aptitude のコマンドラインアクションのうち最もよく使用されるものを取り上げます。さらに詳しくは、aptitude コマンドラインリファレンスを参照してください。
一般に、 aptitude のコマンドライン呼び出しは次のようになります。
aptitude
アクション
[引数
...]
アクション
はとるべきアクションを
aptitude
に教え、残りの引数はオプションごとに異なる方法で使用されます。通常、残りの引数はパッケージ名とコマンドラインスイッチから成ります[4]。
最も重要なアクションを以下に示します。
aptitude
update
このコマンドは、ビジュアルインタフェースに入って u と押すのとちょうど同じように、パッケージ一覧を更新します。
aptitude
safe-upgrade
This command will upgrade as many packages as it can upgrade without removing existing packages or installing new ones.
It is sometimes necessary to remove or install one package in order to
upgrade another; this command is not able to upgrade packages in such
situations. Use the full-upgrade
to upgrade those
packages as well.
aptitude
full-upgrade
Like safe-upgrade
, this command will attempt to upgrade
packages, but it is more aggressive about solving dependency problems: it
will install and remove packages until all dependencies are satisfied.
Because of the nature of this command, it is possible that it will do
undesirable things, and so you should be careful when using it.
![]() | 注意 |
---|---|
For historical reasons, this command was originally named
|
aptitude
[ install | remove | purge ] パッケージ 1
[パッケージ 2
...]
これらのコマンドは、指定されたパッケージのインストール・削除・完全削除[5]を行います。既にインストール済みであるが更新可能なパッケージを「インストール」すると、そのパッケージは更新されます。
aptitude
search パターン 1
[パターン 2
...]
このコマンドは、指定されたパターン
のいずれかを名前に含むパッケージを検索し、その結果をターミナルに表示します。各パターン
には、単なる一連のテキストだけでなく、検索パターン項で説明されている検索パターンを指定可能です。[6] For instance, 「aptitude search gnome
kde
」 will list all packages whose name contains either
「gnome
」 or
「kde
」.
aptitude
show パッケージ 1
[パッケージ 2
...]
各パッケージ
に関する情報をターミナルに表示します。
パッケージのインストール・更新・削除を行うコマンドはすべて、パラメタ
-s
をつけることが可能です。このパラメタは「シミュレート
(simulate)」を意味します。コマンドラインに
-s
が渡されると、プログラムは通常行うアクションをすべて実行しますが、ファイルのダウンロードやインストール・削除は実際には行いません。
aptitude は次のようなプロンプトを表示することがあります。
以下の新規パッケージが自動的にインストールされます:
space-orbit-common
以下の新規パッケージがインストールされます:
space-orbit space-orbit-common
更新: 0 個、新規インストール: 2 個、削除: 0 個、保留: 0 個。
3200kB のアーカイブを取得する必要があります。展開後に 8413kB のディスク領域が新たに消費されます。
続けますか? [Y/n/?]
「はい (Yes)」や「いいえ
(No)」という明白な選択肢を利用できるだけでなく、多数のコマンドを使用してプロンプトに表示される情報を変更したり追加アクションを指定したりすることが可能です。例えば
s
と入力すると、各パッケージが使用するディスク領域の大きさに関する情報を表示させたり隠したりできます。
続けますか? [Y/n/?]
s
サイズの変化を表示します。 以下の新規パッケージが自動的にインストールされます: space-orbit-common <+8020kB> 以下の新規パッケージがインストールされます: space-orbit <+393kB> space-orbit-common <+8020kB> 更新: 0 個、新規インストール: 2 個、削除: 0 個、保留: 0 個。 3200kB のアーカイブを取得する必要があります。展開後に 8413kB のディスク領域が新たに消費されます。続けますか? [Y/n/?]
同様に、d
と入力すると自動的にインストール・削除されるパッケージに関する情報を表示します。
以下の新規パッケージが自動的にインストールされます: space-orbit-common (依: space-orbit) 以下の新規パッケージがインストールされます: space-orbit space-orbit-common 更新: 0 個、新規インストール: 2 個、削除: 0 個、保留: 0 個。 3200kB のアーカイブを取得する必要があります。展開後に 8413kB のディスク領域が新たに消費されます。
これは、space-orbit-common
がインストール予定になっているのは
space-orbit
が
space-orbit-common
に依存しているためだ、という意味です。プロンプトに
?
と入力すると、可能な入力の完全な一覧を参照できます。
自明には解決できないような依存関係の問題が要求によって生じる場合、aptitude はどうするか尋ねます。
以下のパッケージは依存関係が壊れています:
libsdl1.2debian
以下のパッケージが削除されます:
libsdl1.2debian-all
.
.
.
以下のアクションでこれらの依存関係の問題は解決されます:
以下のパッケージをインストールする:
libsdl1.2debian-oss [1.2.7+1.2.8cvs20041007-4.1 (unstable)]
スコアは 19 です
この解決方法を受け入れますか? [Y/n/q/?]
y
と入力する (または単に
enter を押す)
と提案されている解決方法を受け入れます。n
と入力すると、「次善の」解決方法を表示します。
この解決方法を受け入れますか? [Y/n/q/?]
n
以下のアクションでこれらの依存関係の問題は解決されます: 以下のパッケージをインストールする: libsdl1.2debian-alsa [1.2.7+1.2.8cvs20041007-4.1 (unstable,now)] スコアは 19 ですこの解決方法を受け入れますか? [Y/n/q/?]
q
と入力すると、「諦めて」すぐにプログラムを終了します。
この解決方法を受け入れますか? [Y/n/q/?]
q
これらの依存関係の問題を解決するための努力をすべて放棄します。 中断。
メインのコマンドラインプロンプトと同様、依存関係問題解決用プロンプトからは、パッケージ状態の手動での変更など多数の追加アクションを実行できます。完全な一覧を参照するには
?
と入力してください。
aptitude のコマンドライン機能の完全な説明は、コマンドラインリファレンスを参照してください。