STK は、基本的には NIFTY-Serve の RT や CB を支援するための ソフトウェアで、 Emacs LISP で記述されています。つまり、通信が mule や nemacs のバッファ (窓) の中で実行されるのです。しかし、 このソフトウェアはチャット専用ではなく、普通の通信ソフトと同様に 様々な BBS へのアクセスが可能です。しかも、通信の内容はすべて エディタのバッファに自動的に蓄積されます。
このソフトウェアは NIFTY-Serve のチャット専用のモードを 備えていますから、NIFTY-Serve の RT や CB の愛好者には うってつけでしょう。課金が増えてもしりません。:-)
ちなみに、NIFTY-Serve・C 言語フォーラム (FC) では、週末の深夜などに Linux 愛好者がこの STK を使っておしゃべりしています。
STK は、製作された方々のご好意により、この文書に付けることが できました。
stk では、実際の通信には kermit を使用します。ですから、まず この文書の kermit の章で解説したように、kermit で通信が できるよう環境を整えてください。
次に stk.tar
を展開します。(展開例 : tar xfv stk.tar
)
展開されたファイルの中にある stk.el
が、Emacs LISP で書かれた
stk のプログラムです。
この stk.el
は、各自の環境に合わせて設定を変更します。
まず、stk.el
の初めの方にある「(defvar **** ****)
」の
部分を適切に変更します。Emacs LISP を知らない人でも、それぞれの
項目に何を記述するかは見れば解るでしょう。:-) 不明な点があれば
stk.doc
の「注解1.A.STKの調整」を参照してください。
変更が終ったら、mule か nemacs の中で「M-x byte-compile-file
」
コマンドを使って、stk.el
をコンパイルします。このコマンドを
実行すると、nemacs や mule がファイル名を入力するように
促しますから、ここで stk.el
の絶対パスを入力します。コンパイルが
終ったら、stk.el
と同じディレクトリに stk.elc
という
ファイルが生成されますから、mule/nemacs の LISP ファイルを置くディレクトリ
(/usr/local/mule/lisp
など) に stk.elc
を、ルートの権限で
コピーします。パーミッションの設定も忘れずに。
最後に
(load-library "stk")
の一行を ~/.emacs
に追加してインストールは完了です。
mule や nemacs で作業していた人は、stk を使う前に一度 エディタを終了しましょう。
mule や nemacs の中から「M-x kermit
」とタイプすると、
kermit (と stk) が起動されます。ここで「M-x connect-to-nifty
」と
タイプすると、自動的に NIFTY-Serve にログインできます。
NIFTY-Serve 以外に接続する場合は、通常の kermit と同様の
手順でログインしましょう。この部分は単なる kermit なのです。
stk が本領を発揮する、NIFTY-serve の RT や CB に入ったら、 「M-x chat」とタイプします。mule (nemacs) のバッファが三つの 窓に分かれますね。これが chat モードです。下側の窓が入力用です。 このモードにはコマンドがいくつか用意されています。
頻繁に使うのは「Control-C H
」です。このコマンドを発行すると
ミニバッファに「だれ:」と表示されます。ここで *handle*
という
バッファから適切な名前を選び、その名前の左にあるアルファベットを
選んでタイプします。(Enter キーも忘れずに。) こうすると、入力用の
窓の発言の最後に「>ぺーちゃん」のような文字が付加されます。
「M-x chat-quit
」でチャットモードを終了します。
その他のコマンドの使い方は stk.doc
を参照してください。
通信が終了したら、ログを一度ファイルに保存してもいいですし、 そのまま通信用のバッファを編集するのも良いでしょう。
stk.el
を byte-compile-file すると、「M-x connect-to-nifty
」が失敗する場合があるようです。もし自動ログインに失敗することがあれば
/usr/local/mule/lisp/stk.elc
を削除し、stk.el
を同
ディレクトリに入れてみましょう。
この文書に付属の stk.patch
の使い方は、stk.patch
に
書かれています。
お楽しみあれ!