lpr の概要について説明します。lpr は Linux 独自のものではないので、 UNIX 一般の書籍も参考になるでしょう。また、システムの設定は root (スーパー ユーザ) で行うことを忘れないでください。
lpr は、BSD 系の UNIX 上で開発されたプリントジョブの管理システムです。 これを使うことにより、複数のユーザから、印字要求の受け付け/キャンセル/出 力状況の確認などが出来ます。
もし lpr を使わなかったら、デバイスの取り合いになり複数のプリントジョ ブを効率良く処理することは出来ないでしょう。
lpr は、デーモンの lpd と、lpd に要求を出すコマンド群から構成されてい ます (図が汚いのは勘弁してね:-)。
プリンタ(スペシャルファイル) ^ │ フィルタ │キューから一つづつ印字 │ コマンド群 <────> lpd ─────────> spool 出力要求 要求のキューイング 要求取消 印字内容の取り出し 出力状況 要求の削除 |
実際にユーザが使用するのは、コマンド群だけです。しかし、Linux では、ユー ザ = システム管理者の場合が多いので、lpd 等の設定を行なう必要があります。 この他の特徴として、ネットワーク上での使用も考えられており、他のマシン の lpd と連携して、リモートプリンタに出力することも可能です。(本ドキュメ ントでは、これには触れません。)
プリンタの違いは、フィルタが吸収する仕組みになっています。 次の章からは、この lpr を使用しての印字法を説明します。