さて、ようやく通信ソフトの設定です。この章では xc に関する情報を 扱います。xc はマクロ言語を備えています。また、B-Plus プロトコルにも 対応していますから、NIFTY-Serve にアクセスする人には便利な ソフトウェアでしょう。
xc を Linux で動かす際に必要なものを次に示します。すべて NIFTY-Serve UNIX フォーラム (FUNIX) の 1 番ライブラリ・ 「Free software UNIX source」にあります。
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番号 データ名
235 xc32-news.tar.Z
221 xc32ptahc.tar.Z Xc3.2用SJIS対応パッチ
220 xc32.tar.Z Unix用通信ソフト
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☆ まず、各アーカイブからコンパイルに必要なファイルを取り出します。 必要なファイルを次に示します。
アーカイブ名 必要なファイル
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xc32.tar.Z - 入っているファイル全部
xc32ptahc.tar.Z - patch.all README.j convtbl.h
xc32-news.tar.Z - ../patch.news ./README.j.NEWS
それぞれのアーカイブのファイルは一ヵ所 (全部同じディレクトリ) で 解凍して下さい。
解凍例
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tar xfvz xc32.tar.Z
tar xfvz xc32ptahc.tar.Z patch.all README.j convtbl.h
tar xfvz xc32-news.tar.Z ../patch.news ./README.j.NEWS ; \
mv ../patch.news .
☆ 解凍が済んだらパッチを当てます。次のコマンドを実行します。
patch -p < patch.all ; patch -p1 < patch.news
☆ このままでは Linux 向けには設定されないので、コンパイルできません。 少し修正が必要ですので、この文書に付属の patch.linux を使って 次のコマンドを実行します。
patch -p1 < patch.linux
このパッチファイルを使うと、だいたい次のような変更が施されます。
※すでに Linux で xc を使っている人も、一からコンパイルを やり直してください。つまり、前回のパッチに対する新たなパッチは 存在しません。
☆ コンパイルとインストールは、スーパーユーザーになって 以下のコマンドを実行します。
make ; make install ; make man
これで、プログラムのコンパイルとインストールが完了です。
次に、設定ファイルをホームディレクトリにコピーします。
必要なのは「.xc
」ファイルだけです。コピーが済んだら、
ファイルの所有者とグループを正しく設定しておきましょう。
~/.xc
を適切に変更・設定します。
−例−
set bps 9600
set cis "on"
set sjis "off"
set auto "on"
最初はシリアル回線の速度指定です。モデムの繋がった RS-232C の速度が
例えば 9600 BPS なら、「set bps 9600
」です。
NIFTY-Serve に接続する場合は、B-Plus プロトコルが使えますから、
「set cis "on"
」と設定しておきましょう。それ以外の BBS なら
「set cis "off"
」です。
CompuServe に接続すると、B-Plus 転送を開始する印に使われる
^E がログイン直後にホストから出力され、意図しないところで
xc が B-Plus 転送モードに入ってしまいます。ですから、
「set cis "off"
」と設定しておき、実際に B-Plus の転送が
始まる時には xc のプロンプトに戻って、手動で B-Plus 転送を
開始すると良いでしょう。
次に、BBS のホストが Shift-JIS コードで入出力を行なう場合は、 set sjis "off" と設定します。これが「on」になっていると、もともと SJIS コードの文字をさらに SJIS コード変換ルーチンに通すことになり、 表示が乱れます。
また、通信のログを取っておきたい場合は、「set auto "on"
」
と設定します。ログは特に指定しなければ「./capture.log
」へ
出力されます。
これで通信の準備が整いました。
シェルのプロンプトで「xc -l /dev/cua1
」等とタイプすれば
起動します。「-l /dev/cua1
」はモデムが繋がったデバイスを指します。
xc のプロンプトは「<XC>
」ですから、ここで「t
」と
タイプします。
(Enter キーも忘れずに。) これでターミナルモードになり、
モデムの AT コマンドなどを使って通信を開始できます。ここから後、
ログインして会議室などを巡回し、ログアウトするまでの手順は、
DOS の通信ソフトとほぼ同じです。
ターミナルモードからプロンプトに戻るには、「Ctrl-A X
」と
タイプします。終了は「q
」です。
B-Plus プロトコルでのダウンロードやアップロードを指定すると、 転送が始まった時に xc の B-Plus ルーチンが自動的に起動されます。 この時、画面にはあまり情報が表示されず、ソフトウェアがハングしたのかと 思うかもしれません。しかし、ダウンロード中のファイルが入るべき ディレクトリを、ダウンロード時に別のシェルから監視すると わかるように、転送ルーチンは正しく動作しています。安心して 終了を待ってください。