以下が本文書の背景です。
Linux システムはネットワーク化されたコンピューターのための非常にパワフルなコンピュータープラットフォームです。しかし、Linux の全能力を利用する方法を学ぶことはたやすいことではありません。非 PostScript プリンタが接続された LPR プリンタの設定がこんなつまずく点の良い例でした。(新規インストレーションでは CUPS システムが使われるのでもうこの様な問題はありません。)
"ソースコード" という完全かつ詳細なマップが存在します。これは非常に正確ですが理解することが難しいものです。また、HOWTO や mini-HOWTO と呼ばれるリファレンスもあります。これらは理解はしやすいのですが、詳細過ぎて全体像を失いがちです。ちょっとコマンドを実行する必要がある時に、長大な HOWTO の該当する章を探すのには骨が折れることが時々あります。
この "Debian リファレンス (第2版)" が Debian 迷路の真っ只中にいる皆様にとって解決の糸口となることを望みます。
Debian リファレンスは青木 修 <osamu at debian dot org> が自分のためのシステム管理メモとして書きはじめました。多くの内容が debian-user メーリングリストや他の Debian のリソースから得られた知識由来です。
当時 Debian Documentation Project で非常にアクティブであった、Josip Rodin 氏の助言に従い、 DDP 文書の一部として "Debian リファレンス (第1版、2001-2007)"を作りました。
6年経った時点で、青木はオリジナルの "Debian リファレンス (第1版、2001-2007)" が時代遅れとなっている事に気づき多くの内容を書き換え始めました。新たな "Debian リファレンス (第2版)" が2008年にリリースされました。
チュートリアルの内容はその内容とインスピレーションを次から得ました。
"Linux User's Guide" Larry Greenfield 著 (1996年12月)
"Debian Tutorial" Havoc Pennington 著。 (1998年12年11日)
"Debian GNU/Linux: Guide to Installation and Usage" John Goerzen and Ossama Othman 著(1999年)
パッケージやアーカイブに関する記述はそのオリジンやインスピレーションの一部を次に遡ることができます。
他の内容はそのオリジンやインスピレーションを次に遡ることができます。
"Debian リファレンス (第1版)" 青木 修著 (2001年〜2007年)
以前の "Debian リファレンス (第1版)" は次によって作られました。
Debian システム上の多くのマニュアルページや info ページが本文書を書く上での第一義的参照情報として使われました。青木 修が公正な使用と考える範囲内で、それらの多くの部分、特にコマンドの定義が、本文書の文体と目的に合うように注意深い編集をした後、断片的文言として使われました。
gdb デバッガーに関する記述は Arii Pollak と Loïc Minier と Dafydd Harries の了承のもと backtrace に関する Debian wiki の内容を拡張して使いました。
既に上記で触れた項目を除くほとんどの "Debian リファレンス (第2版)" の内容は私自身の仕事です。これらはコントリビュータ−によっても更新されています。
"Debian リファレンス (第1版)" は、角田 慎一さんがすべて日本語訳しました。
"Debian リファレンス (第2版)" は、英文原著者の青木修自身がすべてを日本語訳しました。その際に "Debian リファレンス (第1版)" から内容が比較的変更されていない「第1章 GNU/Linux チュートリアル」等では、角田さんの旧訳文を青木が文体や内容を調整した上で一部再利用させて頂きました。
著者である青木 修は本文書を世に送ることにご助力戴いた皆様に感謝いたします。
英語のオリジナル文書のソースは AsciiDoc のテキストファイルを用いて書かれました。AsciiDoc は直接 XML を書くより手間がかからないのとテーブルを分かりやすいフォーマットで入力出きるので使われています。XML と PO ファイルを真のソースファイルと考えて下さい。ビルドスクリプトによって DocBook XML ソースに変換され、更に自動的に生成されるデーターを埋め込み最終的な DocBook XML ソースとされました。本文書は HTML とプレーンテキストと PostScript と PDF として見ることができます。現在は HTML とプレーンテキストへの変換のみが有効とされています。